子守唄に揺られて。
2004年 11月 08日
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ナシの木育ちよ
何のナシやら 何のナシやら
色気なしばよ しょうかいな
早よ寝ろ泣かんで オロロンバイ
鬼(おん)の池ン久助(きゅうすけ)どんの連れんこらるバイ
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子どもの頃良く耳にした、島原の子守歌。
良く意味の分からない歌詞とひどく淋し気なその旋律は、当時幼心に余り好ましく響きはしなかったのだが・・・何故か今もって忘れず、時にふと口をついて出ることがある。
当時の具体的な記憶については、たとえ思い出そうとしても中々思い出せないと言うのに。
記憶というのは摩訶不思議なものである。
* * *
夕陽の撮影から一夜明けて二日目は、島原市内で各自自由行動。城下町の風情漂う武家屋敷跡に始まり、鉄道駅のほぼ正面に堂々と聳える島原城、「鯉の泳ぐまち」と呼ばれる裏通り界隈を散策して回った。
有名どころとは言え、町自体決して大きくはないし、観光スポットも数ある訳ではないのだが、流石は「名水百選」に数えられる湧水のまちだけあって、町なかの至る所にひしゃく付きの水飲み場があり、底まで透き通った水路には美しい緑の藻や草花が生い茂っている。
無論、健康そうにまるまると太った鯉も悠然と泳いでいる。家族で観光に来ているのだろう、楽しそうに餌をやる子どもの姿が微笑ましい。
長閑な、のどかな、田舎町の秋の午後。
午前中は曇り勝ちだった空もどうにか青さを取り戻し、とろりと濃密な秋の陽射しが辺りを黄金色に照らし出す頃。
ファインダーの中、揺れるススキの向こうに白く輝く島原城を見つめながら、知らぬ間にふと口ずさんでいたのは、やはりあの淋し気な旋律の子守唄だった。
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武家屋敷の門の一角にて。
流水に咲く。
「島八」。このレトロさが良い。
(一応)島原城。
「何ば しよっとね?」 ・・・思わず、暫しご対面。
餌をやる子ども。この一角の鯉、少々太り気味か。
「しまばら水屋敷」の看板。古い民家を一般に開放、池に面した和室で休憩も出来る。
島原名物、具雑煮。出汁がとても美味しい。
by misa22_5
| 2004-11-08 10:08
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